日本ジェンダー学会倫理規程
日本ジェンダー学会(以下、本学会という。)は、ジェンダーに関する学際的な研究・教育および実践活動に際して倫理的規範を遵守することをここに宣言する。本学会は、個人の尊厳と基本的人権を擁護し、学問の公共性ならびに公正を確保するため、以下の条項を定める。
第1条【本学会関係者の義務】 本学会の会員・準会員、もしくは会員・準会員以外で本学会が主催するシンポジウム・講演会等の報告者・聴講参加者、本学会が発行する機関誌・書籍等の執筆者(以下、本学会関係者という。)は、本規程を遵守しなければならない。
第2条【社会的信頼の確保】 本学会関係者は、市民社会の一員であることを自覚し、社会的信頼を損なうことがないよう行動しなければならない。
第3条【差別の禁止】 本学会関係者は、性別、性的指向、性自認、社会的身分、人種、民族、国籍、宗教、信条、年齢、職業、学歴・職歴、身体的特徴、障害の有無などを理由として、個人および集団・団体に対して差別的な扱いを行ってはならない。
第4条【ハラスメントの禁止】 本学会関係者は、相互にもしくは第三者に対してハラスメントに該当する行為を行ってはならない。本条でいうハラスメントは、性別、性的指向、性自認、社会的身分、人種、民族、国籍、宗教、信条、年齢、職業、学歴・職歴、身体的特徴、障害の有無などの属性あるいは広く人格に関わる事項等に関する言動によって、相手方に不利益や不快感を与え、あるいはその尊厳を損なう一切の行為を指し、以下のようなハラスメントを含む。
(1)ジェンダーハラスメント:性別に関する差別的言動
(2)セクシュアルハラスメント:相手方の意に反する性的言動
(3)アカデミックハラスメント:研究教育上の上下関係や優越的な地位を利用して行う言動によって、相手方を不快にし、研究教育環境を害する行為
(4)パワーハラスメント:職務上の優越的な地位や権限を濫用した不適切な言動、指導または待遇など
(5)SOGIハラスメント:性的指向や性自認など、セクシュアリティに関する特徴に基づく差別的な言動
(6)その他のハラスメント:妊娠・出産・介護などに関するケアハラスメント、飲酒等に関するアルコールハラスメント、上下関係や性別等には直接関わらない嫌がらせであるモラルハラスメントなどの一切のハラスメント
第5条【プライバシー保護と人権の尊重】 本学会関係者は、自らの研究・教育および学会運営において、関係者のプライバシー保護と人権の尊重に努めなければならない。
第6条【SNS等の適切な利用】 本学会関係者は、ソーシャルメディア(SNS)等の利用にあたっては、その公開範囲を問わず、社会通念上相当と認められる範囲を超えた、個人および団体に対する誹謗中傷、過剰な批判、不快感や嫌悪感をあたえる内容を投稿してはならない。
第7条【著作権侵害および研究不正の禁止】 本学会関係者は、剽窃・盗用等の著作権侵害に該当する行為およびデータ・史資料のねつ造、改ざん等の研究不正を行ってはならない。
第8条【研究資金の適正な使用】 本学会関係者は、競争的資金等の研究資金を適正に使用しなければならない。
第9条【研究業績の適切な公表】 本学会関係者は、研究業績の記載は、業績の水増しと受け取られることがないよう適切に行わなければならない。
第10条【倫理委員会の設置】 本倫理規程に定める事項につき、研修・対応・審議・調査するために、倫理委員会を設置する。倫理委員会については別途定める。
第11条【通報・申立】 本学会関係者は、本学会の学会活動に関して、本倫理規程違反の言動によって本人や第三者が被害を被った場合に、倫理委員会(本学会事務局を窓口とする)に対して書面(メールの添付ファイルでも可)で通報もしくは申立を行うことができる。匿名は不可とする。虚偽の通報もしくは申立は禁じる。ただし、倫理規程違反者とされた者ないしはハラスメント等の相手方には通報者ならびに申立人の氏名は伏せる。また、通報者・申立人の捜索を禁じる。
(1)通報:倫理規程違反の言動に関する情報提供
(2)申立:勧告・調停・調査などの個別対応を求めるもの
第12条【勧告・調停・調査】 倫理委員会は、本学会関係者から通報もしくは申立があった場合には、必要に応じて勧告・調停・調査を行う。
(1)勧告:同様の違反行為が繰り返されないよう、該当者に勧告する。
(2)調停:申立人と被申立人の間を調停する。
(3)調査:通報もしくは申立人の希望があり、倫理委員会が必要と判断した場合には、調査を行う。
第13条【本学会関係者の協力義務】 本学会関係者は、本倫理規程に関わる勧告・調停・調査が実施された場合には全面的に協力し、理事会ならびに倫理委員会が決定した措置に従わなければならない。
第14条【処分】 理事会は、倫理委員会から提供された調査結果報告をもとに倫理規程違反があったと判断した場合には、該当者に対して以下の処分を決定することができる。本学会会長(以下、会長という。)は該当者に処分結果を通知する。処分については原則として公表しない。理事会関係者は、通報・申立・調査・処分等に関する情報を他に漏らしてはならない。
(1)除名
(2)退会勧告
(3)2年間にわたる会員・準会員資格の停止
(4)2年間にわたる論文等の投稿および研究大会への登壇の禁止
(5)2年間にわたる原稿依頼等の停止
第15条【処分に対する異議申立】 前条に定める処分を受けた者は、処分通知から2週間以内に、会長に対して書面で異議申立を行うことができる。異議申立があった場合には、会長は速やかに特別調査委員会を設置し、再調査を行わねばならない。特別調査委員会の委員は、会長が指名し、倫理委員会委員を兼ねてはならない。
第16条【規程の改廃】 本規程の改廃については総会の議を経ることとする。
附則 本規定は2023年9月2日から施行する。
(2023年9月2日総会承認)