第19回大会(2015年)「セクシュアリティとジェンダー~性的指向の権利保障をめぐって~」

日時・場所

2015年9月19日(土)13:30~17:30
於:奈良女子大学S235教室(入場無料)

趣旨説明

LGBTシンポジウム性的指向を人権の一つと認め、親密な人間関係の選択肢を保障するという動きは、1970年代以降のジェンダー平等の一環である。同性愛行為に対する処罰規定を撤廃し、同性カップルの生活共同体(登録パートナーシップ)を保障し、婚姻の性中立化を容認するという流れは、まさしくこうした動向を象徴するものと言えよう。しかし、婚姻の性中立化の承認をめぐって国際社会の合意は容易ではない。日本は、同性愛者に対する明白な差別規定の歴史がなかったにもかかわらず、性的指向の権利保障に向けた取り組みは遅れていた。ようやくその兆しが見え始めたところである。性的指向の権利保障に向けた今回のシンポジウムでは、国際的動向や比較検討を踏まえて、日本でいかなる法制度の確立が可能であるのかを論じ、また、文化や社会に残る差別の淵源を明らかにしてセクシュアリティの自由を確立するための方途を展望したい。

プログラム

●13:30-13:40 趣旨説明 三成美保(日本学術会議第一部会員・奈良女子大学教授)
●13:40-14:10 報告1:日本における同性カップルの権利保障に向けた法的課題
二宮周平(日本学術会議連携会員・立命館大学教授)
●14:10-14:40 報告2:日本における同性カップルをめぐる権利保障運動の展開
谷口洋幸(日本学術会議特任連携会員・高岡法科大学准教授)
●14:40-15:10 報告3:日本における同性カップルの権利保障をめぐる可視化戦略の陥穽
堀江有里((公財)世界人権問題研究センター・専任研究員)
●15:10-15:40 報告4:ヨーロッパにおける同性カップルの権利保障―現状と課題
大山治彦(四国学院大学教授)
15:40-15:50 休憩
●15:50-16:00 コメント1:ベトナムにおける婚姻の性中立化をめぐって
香川孝三(大阪女学院大学教授・元ベトナム公使)
●16:00-16:10 コメント2:同性愛射程から考える日本近現代史研究
長志珠絵(日本学術会議連携会員・神戸大学教授)
●16:10-17:30 討論  司会:伊藤公雄(日本学術会議第一部会員・京都大学教授)
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午前中には日本ジェンダー学会の個別報告も行われます(S235教室:参加自由)。
司会:野口芳子(武庫川女子大学教授)
●10:00~10:50
田島悠来(同志社大学)「現代の日本の「アイドル」におけるジェンダー非対称性」
●10:50~11:40
周典芳(台湾慈済大学准教授)「台湾における少子化広告分析」

主催等

◆主催
日本ジェンダー学会
日本学術会議法学委員会「社会と教育におけるLGBTIの権利保障」分科会

◆共催
奈良女子大学アジア・ジェンダー文化学研究センター

◆問い合わせ先
奈良女子大学アジア・ジェンダー文化学研究センター Tel: 0742-20-3611

◆会場
近鉄奈良駅から北へ徒歩5分 http://www.nara-wu.ac.jp/map/accessmap.html